2015年12月31日

年末恒例の「年間ベストフィルム」「年間ベストアルバム」系のインターネットの記事を読んでいても、今年は新作の映画をあまり観なかったし新しい音楽を聴いた記憶もないから気になったタイトルだけとりあえずメモしたりしてる。今年は映画館にもライブにもあまり行かなかった、決して興味がなくなったわけではないので単純にそういう情報に鈍くなっただけかもしれない。それも何だかなあって感じですが。私個人のカルチャーの季節が意図せず緩やかに終わりつつあり、代わりにフィジカルの季節が到来した。若者を最後に助けてくれるのはフィジカルの強さなのか。しかし私はまだ鍛えていない、一ヶ月ほど前に手首を捻挫したのが致命傷だったので。年明けからハードな一年になるからフィジカルとメンタルの強さが超大事。


テアトル新宿で観た橋口亮輔『恋人たち』とイメージフォーラムエドワード・ヤン『恐怖份子』デジタルリマスター版が、今年の数少ない映画館体験のなかでは印象的でした。当たり前だけど決して生き易くはない世の中でそのうえ人間ってわかりあえないよねマジでって感じのここ数年でしたがそのなかで『恋人たち』は私の生活にとってもひとつの救いであったと思います。3月に世田谷文学館岡崎京子展があったので改めて岡崎京子作品を買い集める機会があり、それ以外にも例年より漫画を読みました。最近では『パンティストッキングのような空の下』がとにかく素晴らしかった、うめざわしゅんについて語ろうとすればするほど自分の浅はかさが露呈してしまうので、今日はそれを諦めて北陸新幹線で『町田くんの世界』を読みすすめました。こうしてつらつらと思い出してみるとそれなりに慌ただしい日々のなかでその隙間を埋めてくれた素敵な作品があったのだと思います。


いくつかある来年の目標のひとつに税金を納めること、というのがあり、おそらくカルチャーとフィジカルの次はマネーの季節がくるのかもしれない。こうして生活は回転してゆくのだ。

よい一年でした。書くべきことは他にもっとあった。