2015年4月19日

昼は毎日同じお店で同じものを食べて、夜は同じ帰り道で家に帰って、同じ時間に寝て同じ時間に起きて、駅前の自販機に140円入れてコカコーラを買って、電車に乗ったらiPodスーパーカーのアルバムを1曲目から再生して、研究室で本を読みはじめる前に煙草を一本吸って、生活のなかでそういうルーティンを構築してその通りに動いていないと不安で仕方がなく、決して几帳面ではないのにルーティンに異常に拘る性分なのであまり面白くはないなと思う。最近は一時的に引越しをして生活環境が少し変わったので今までとは違ったリズムで暮らしていて、コカコーラの自販機が近くにないのでコーラを飲まなくなった(金銭的に余裕が無いのもある)。電車に乗らないのでスーパーカーは聞かないし、1日に1回「ユーミンは素晴らしいな」と思う。煙草をあまり吸わなくなった。今日はバスに乗る時間が長いので日記を書いています。


 今まで異常なほどにこだわっていた生活スタイルをあっさり変えてしまって、意外とストレスを感じることもなく、なんだ結構簡単に捨ててしまえるものだなと思ったりした。新しい環境でまた新しいリズムが生まれつつあって、でもこれは一時的なものなのですぐに忘れてしまうでしょう。
 去年の春に中野の駅前で見た桜は今まで見た桜のなかで一番綺麗で、今年も見ることができた。去年は写真を撮らなかったので、今年は撮っておいた。おそらく来年の春には学校を出てどこか別の街でまた今とは違う生活が始まっているはずで、中野で桜を見ることはないと思う。
 一年前の自分が何を考えていたのか、誰とどんなことを話したのかぼんやりとしか思い出せなくなって、仲の良かった人もあまり打ち解けられなかった人もだんだんと記憶の奥の方にしまわれていって、たぶん僕もたくさんの人に忘れられていくのだろうけど、春になってまた新しくたくさんの人に出会った。新しい人に出会うのはとても楽しくて、だんだんと打ち解けて、また緩やかに忘れていくのだろうか。


 先週買っておいたパイナップルが傷んでいたのでおそるおそる食べたらちょっとだけ腐っていて腹を壊したのだけど、これは村上龍の『限りなく透明に近いブルー』で主人公が食べたやつだと思って久々に読み返してみたら、冒頭で「台所でパイナップルが腐っている」という描写があるだけで、食べてはいなかった。